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このお話しは、体験談になります
このお方のお陰で、灸師としての命題に気付かされました。
昭和六十二年秋の終わる頃、一人の老婆が訪ねて来ました。
眼光は異様に青黒く、白目は黄色く、皮膚全体は黒褐色でつやも無い。
「慢性肝炎・黄疸・腹部浮腫」と聞きビックリして治療出来ませんでした。
当時、新進気鋭の「灸治療師」を目指し、頑張っていたのに
勿論、慢性肝炎の治療点は知っていました。
取穴〔ツボに点をとる〕すれば、治療出来たのです。
しかし、できなかった、その理由は経験が全く無かったからです。
江戸時代から肝炎のお灸治療で有名な熊本の免田行くように紹介しました。
このお灸治療師は、現在のお方が五代目と言われる名医です。
それから二年目の春、偶然にその患者に出逢いました。
「あんた、生きとった」と驚いて声をかけたのは、私でした。
病院の診断で数ヶ月、永くても半年と言われていました。
死病と言われる慢性、それもB型肝炎の末期症状・・・・不思議でした。
頼み込んで、胸と背中の灸痕を見せて貰いました。
「科学を超えた治療が出来る。」
それを現実、目の当たりに見せられた体験でした。
その後、数名のB型・C型の肝炎に出逢い
命の御礼を頂く立場になる時
この老婆への感謝の気持ちで胸が一杯になるのです。
そして、未熟なあの日を懐かしく恥ずかしく想い出します。 |
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